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前田 出
まえだ いずる
(株)コロネット代表取締役会長 (財)日本余暇文化振興会理事
1954年、和歌山県生まれ。長崎大学水産学部卒。
2003年、女性起業支援として、「好きを仕事に!」をテーマに文部科学省許可(財)日本余暇文化 振興会(JALD)の監修・認定でホビークラフト(ビーズ、キルト、押し花等)の「先生」をつくる楽習フォーラムを設立。9年間で3万1000名の「先生」を養成。
2007年、このビジネスモデルの他の業態に導入し、インストラクター事業ビジネスモデルを構築。より詳しいプロフィールはこちら
インタビュー
前田先生とは1年ほどお付き合いさせていただいていますが、前田先生を一言で表すと、「飄々と何でもこなす天才系ビジネスプロデューサー」です。かつて、劇団のプロデュースや選挙のプロデュースもされていたとか。ご自身では、「プロデューサー」的役割だと感じていますか?
前田:そうですね。逆に言うと細かい部分を作りこむのは苦手です。大きなフレームを作るだけで、あとは任せてしまうという。結果が見えてしまうと、面白くなくなっちゃうから、次のことを始めます。
今私が会長をしているコロネットとは、楽習フォーラムを立ち上げる前から関わって15年になりますが、昔から私を知っている人は驚きますよ。「よく続いている!」って。
長いのですね!
前田:ビーズや押し花などのホビークラフトでインストラクターを育てる事業をずっとやってきましたが、最近はホビークラフト以外の分野をやり始めています。それがまた面白い。私が提唱している「新・家元制度」の仕組みをいろいろな業種業態の人に使ってもらい、広めていければと思っています。
「新・家元制度」ってインパクトのある言葉ですよね。これまで検定ビジネスがちょっと流行ったりしましたが、それとの大きな違いはどういうところでしょうか。
前田:検定と認定を混同してしまう人が多いのですが、全然違います。検定というのは、試験によってレベルを判定するだけのものです。初期投資がかかるうえ、集客は難しいですよ。ナントカ検定に受かったからといって、それが何のメリットになるのかを見せることができなければ誰も試験を受けたいと思わないでしょう。よほど資金力のある大企業であれば成功させられるかもしれませんが、普通は難しい。それに対して認定というのは、「先生」になる過程を含めて教えていくというものです。
ただし、認定制度をつくることも簡単ではありません。「新・家元制度」では、器をつくる、冠をつくる、標準化するというのが3つの大きなステップになるのですが、この中でも「標準化する」ことができない限り、うまくいきません。標準化とは、自分の持っているコンテンツをすべてさらけだし、それを誰でも使えるようにすることです。これは、今まで自分ブランドを作ってきた人にとっては恐怖でしょう。「先生」のポジションを譲りたくない人にはできないのです。
確かにかなりの覚悟がいりますね。
前田:覚悟は必要です。でも、覚悟を持ってこれに取り組んだ人には、まったく新しいフィールドが見えてきます。標準化によって自分の考えが広まり、業界トップのポジションを作るのですから。「新・家元制度」はひとつの仕組みであり、フランチャイズがそうであったように、一つの大きなトレンドになっていくと思います。
「新・家元制度」のビジネスモデルというのは、どんな業界にも応用できるものなのでしょうか。
前田:業界というより、教育事業をとりいれたいという人の想いやコンテンツが大切です。たとえば、「パンの業界にいるんですが、パン業界にも取り入れられますか?」ということではなく、パンを作る、あるいは販売するノウハウや、パンに対する想いがある人ならできる、ということです。
「新・家元制度」は社会的に大きな影響がありますから、取り組んで欲しくない人もいるかもしれませんね。
前田:「これをやれば儲かる」という発想でやろうとしても、ムダですね。業界のトップに立ち、業界を自ら変えてやろうという気概のある人でないと。「新・家元制度」では、客を作るのではなくてビジネスパートナーを作ります。認定インストラクターは、ビジネスパートナーなのです。そういう感覚が必要です。
前田先生はビジネスパートナーを見つけるのが得意であるように見受けられるのですが、秘訣はあるのですか。
前田:私の知らない業界のことでも、「このフレームワークを使えばこうやってうまくいくな」ということはわかるので、志の高い人、人間性のいい人と出会ったら「こういうのはどう?」って言いたくなっちゃうんですよね。そういったアドバイスをすることは、私にとって「楽しみ」なのです。
いま一緒に協会をつくっている人たちは、パートナーです。
ミュージカルをプロデュースしたときも観客10万人を動員されていますし、最近もデパートや大きなイベントにかなりの数の人を集めていますよね。人を集めるポイントはどういうところにありますか。
前田:デパートイベントで一番動員数が多かったのは、横浜高島屋で6日間で4万6千人。150坪のスペースに一番多い日は1万人もの人が来ていました。それは私たちが集めたということではなく、デパート自体に集客力があるわけですよね。だから、デパートが望むお客様をあるテーマにもとづいて集める仕掛けを考えればいいのです。そうすれば、足し算ではなく「かけ算」の集客力になります。ここで5千人、あそこで5千人・・・というふうに足し算で考えていったら無理ですよ。関係する人たち全員にとって嬉しいイベントの提案をする力は必要です。さらに、マスコミをどう巻き込むか、クチコミをどう起こすかを考えます。
提案する力が重要のようですが、どうやって提案したらいいんでしょうか。
前田:マスコミを動かすことで言えば、まず、新聞とテレビでは違いますよね。テレビだったら、動きのある画であり、人であふれかえっている画がほしい。相手の望んでいる画なり記事なり、話題を提供できるかどうか。さらに、トレンドも重要ですね。「今、パンダの画が撮れますよ」と言ってもマスコミがのってくるわけがないでしょう。「日本初」であるとか、「今主婦の間で話題の」とか、ネタとして提供できなければいけません。
先日、東京国際キルトフェスティバル(http://www.tokyo-dome.co.jp/quilt/)に行ってきましたが、すごい人でしたね。
前田:東京ドームで9日間で25万人の動員でした。ホビークラフトでは一番大きなイベントです。NHKや東京ドームなどの「かけ算」で、あれだけ大きなイベントになっています。そして、大切なのはお客さんにどのような「楽しみ」を提供できるか。自分のキルト作品が展示されていれば、それを見るだけで楽しいのですが、それだけではありません。買う楽しみもあります。有名な作家さんの商品や、材料を買って楽しむことができるのです。私たちのイベントは平均滞在時間が3時間〜4時間と、長いですよ。
最後に、これから「新・家元制度」をどのような人たちと一緒に盛り上げていきたいかお聞かせください。
前田:私は「新・家元制度」は、究極のビジネスモデルだと思っています。集客コストはかからず、継続率が高いからです。「新・家元制度」では先生を育て、集客は先生自身がやります。そして、魅力あるコンテンツやカリキュラムを提供していけば、継続率100%がありえます。多くの人が悩んでいる「どうやって集客するか」「どうやって継続してもらうか」という点は、教育をとりいれることによって理想の形に近づけることができるのです。ただし、理念が重要です。理念のないビジネスであれば、教育なんてできません。
「新・家元制度」の理念に共感してくれた方とは、ぜひ一緒にやっていきたいと思います。
インタビュアー:小川晶子
写真:大塚直樹
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